直線の攻防
しかし、ここからが圧巻だった!
直線の入り口で「手応えが良すぎた」と武豊が話すように、
早くも先頭に立つと、他馬を引き離しにかかる。
後ろの馬に影響を与えないよう、馬場の外側へ切り込んでいく。
少しでも、馬場のいいところを、気持ちよく走らせるために。
後ろからは、サトノクラウンが話されないように食らいついてくる。
彼らには、道中馬場のいいところを通った分のお釣りがまだあるはずだ。
果たして、キタサンブラックは!?
少し早く先頭に立ちすぎたのか、2番手以降の馬は、
キタサンブラックを目標に、一気に迫りくる。
しかし・・・。
一行に差は縮まらない。
唯一、サトノクラウンが馬体を併せにかかるが、
キタサンブラックには、まだまだ手応えがあるように感じた。
「来たらいつでも差し返す」つもりでいるように、僕は感じた。
こうして、クビ差以上に差が縮まることはないまま、天皇賞はゴールを迎えた。
キタサンブラック、菊花賞、天皇賞春、ジャパンカップ、有馬記念、天皇賞春に続く、
G16勝目。
レースは、まさに独壇場。
出遅れたところも含めて、キタサンブラックの強さばかりが目立つ結果になった。