まさかの出遅れ、まさかの・・・!
かくして、大雨の中スタートを切った天皇賞秋。
しかし、レースの中心になるはずのキタサンブラックが出遅れる。
「ちょうど、スタートを切る前にゲートに突進してしまった」と武豊。
それでも、「それならそれで、と腹をくくった」と、徐々にレース中に前へ進出。
しかも、大きく荒れているはずの内々を通ってだ。
元ジョッキーの坂井千明氏は、「今までどの馬も経験したことがないほどの馬場。返し馬のときに感触を掴んでいたのでは」と話す。
「それほど苦にしなかったので」とはいえ、一歩間違えれば、馬が走る気をなくしてしまうほどの馬場の内側を、キタサンブラックと武豊は進んだ。
なるべく体力を温存するかのように、集団の中団、馬場の真ん中を淡々と進む。
スタートで出遅れたキタサンブラックは、4コーナーに差し掛かるあたりでは、
既に先頭集団のすぐ後ろに取り付いていた。
ここから600メートルの長い直線。
しかもここまで馬場の悪い、内々を通ってきた。
直線、最後まで持つのか!?そう、見ているファンは固唾を飲んで見守った・・・。